こんにちは!きのした鍼灸接骨院の木下です。
今回のテーマは「腹圧」についてです。
腹圧とは腹部を構成している筋肉を使う事で腹腔内に圧力をかける事を指していまして、呼吸や排便などに日常的にも利用されているものとなります。
腹部を構成している筋肉は大きく分けて4つあり、横隔膜、多裂筋、脊柱起立筋、骨盤底筋群になります。
普段から腹圧を意識している人はあまりいないと思いますが、腹圧をかけるってイメージ出来ますか?
イメージ的に言うと収縮させたまま、膨らませる事で力を入れる事が出来ます。
お腹ではイメージ出来にくいと思いますので腕の場合はこんな感じです。
筋肉を収縮させつつ筋肉が膨張するように力を加える事で、筋肉の圧力が高まりより筋出力が発揮されます。
こういった筋肉の動きをアイソメトリックと言い、関節を動かさない運動なので関節を痛めるリスクが下がります。
実際、お腹での腹圧を高める事でどのようなメリットがあるのかこれから説明していきます。
腹圧を高める事で様々なメリットが大きく分けて2つです。
① 肩こり、腰痛を減らすかも
秋田大学の研究によると
腹腔内圧の有無による腹筋群,脊柱起立筋群の筋活動量を算出した。静的立位時の筋活動量は,腹筋群で3群間に差がなかったが,脊柱起立筋群では腹腔内圧が増加するにつれ,筋活動量の減少がみられた。特に最長筋では,腹腔内圧なしで18.6±2.5%,腹腔内圧ありで15.2±3.2%,valsalvaで9.1±3.4%で有意に差が認められた(p<0.05)。また,腸肋筋は腹腔内圧なしで15.3±4.4%,腹腔内圧ありで13.6±2.4%,valsalvaで10.1±3.5%で有意に差が認められた(p<0.05)。【考察】脊柱アライメントは体幹伸展筋力の与える影響が大きく,われわれは体幹伸展筋力の低下が脊柱後弯を増強させることを報告した。今回の結果から,腹腔内圧の設定で姿勢保持に必要な体幹伸展筋力が減少する結果となった。
つまりは、腹腔内圧を高める事で、背中側の筋肉の緊張が低下したって事です。
腹圧が低いと背中側の緊張が強くなり、関節にも負担がかかったり、筋肉組織の炎症を起こすことで痛みが出てくると考えられます。
運動不足の人はこの原因で肩こり、腰痛が出ている可能性があります。
②筋出力を上がる
何か動作する時に体幹が安定していないと、力がうまく伝えず足だけ、手だけで力を使う事になります。
部分的に力を使うより、足から体幹、腕へと全身の力を使う方が強い力を使う事が出来ます。
腹圧を高める事で、体幹の安定が増して筋出力を上げる事が出来るのでより効果的なトレーニングが出来ます。
ウェイトトレーニングをしている人でベルトをしている理由は、筋出力を上げる効果や全身の筋肉を使いやすくするので様々な筋肉を鍛える事が出来るのでベルトをしているようです。
③その他
・体幹が安定する事で姿勢が良くなる
・姿勢が良い事で内臓機能が高まる
・呼吸がしやすくなり疲れにくい体になる
・尿漏れを防ぐ事ができる
など、他にも様々なメリットがあります。
腹圧を高める事で、腰痛や肩こりの予防になり痛みを出現させないようにする事が出来ます。
なかなかお腹周りに力を入れる事がやっていないと難しいので腹式呼吸でお腹がしっかり動くのかやってみてはいかがでしょうか?
次回は腹腔構成する筋肉を鍛え、腹圧を高めるトレーニングについて説明していきます。