ジャーナル

別れと復縁を繰り返すカップルが抱えるストレスは予想以上?

『フレンズ』のロスとレイチェルや『セックス・アンド・ザ・シティ』のキャリーとミスター・ビッグのように、別れても復縁するのを繰り返すカップルは情緒不安に陥りやすいことが、米ミズーリ大学のKale Monk氏らによる研究で示唆された。この研究結果は「Family Relations」7月30日オンライン版に発表された。

研究では、別離と復縁を繰り返す“リレーションシップ・サイクリング”に陥りやすいカップルは、抑うつや不安のリスクが高いことが明らかになったという。なお、こうしたカップルは連続ドラマの登場人物だけの話ではなく、米国では成人の60%がそのようなパートナーとの関係のもつれを一度は経験していると推定されている。

Monk氏らは今回、異性または同性のパートナーがいる545人の成人を対象とした研究で、パートナーとの別離と復縁を繰り返す関係と精神的苦痛の関連について検討した。対象者の3分の1に同じパートナーとの別離と復縁の経験があり、最も多い人では8回もそれを繰り返していた。研究では、対象者に不安感や絶望感、物事に対する興味や喜びの喪失などを過去2週間にどのくらいの頻度で経験したかを尋ねた。

年齢やカップルのタイプ(同性または異性)、付き合っていた期間、子どもの有無などを考慮して解析した結果、パートナーとの別離と復縁を経験した人では精神的な苦痛の症状を訴える頻度が高いことが分かった。

今回の研究ではこれらの関連が認められたに過ぎないが、こうした結果を踏まえ、Monk 氏は「パートナーとの別れは辛いものだが、それによって苦痛を感じるのは普通のことで、多くの場合は一時的なものだ。しかし、別離と復縁を何度も繰り返すと心身の良好な状態(ウェルビーイング)に大きく影響する可能性がある」と話している。

パートナーとこうした関係に陥ってしまう理由はさまざまで、Monk 氏は「別れた後も元のパートナーへの思いが残っているために復縁するというのが主なものではないか。また、共同で保有していた財産に関連した法的義務など、より現実的な問題を考慮して復縁する人もいる」と説明している。その上で、同氏は「別離と復縁を繰り返す人は、パートナーとの関係において何が問題なのかを見つめ直す必要がある」と助言している。

なお、Monk 氏らの研究について、米カリフォルニア州立大学心理学の元教授であるBeverly Palmer氏は「精神的苦痛が強かったのがパートナーから去った側なのか、去られた側なのかが不明であるという点が、結果の解釈を難しくしている」と指摘している。また、Monk氏は「別れをきっかけに、それまでのパートナーとの関係を見直し、別離を望んでいないことに気付かされたと振り返る人もいる」と話し、別離と復縁のサイクルが有益な場合もあると付け加えている。

[2018年9月4日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights

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