ジャーナル

ファビングは子供にも悪影響!

子育てに行き詰まっても、スマホやパソコンなどの電子機器を逃げ場にするのは、親にも子どもにもよくないようだ。米ミシガン大学医学部小児科学のJenny Radesky氏らが行った研究で、子どもに手を焼く親ほど電子機器をよく使い、子どもと向き合う時間が減って親子関係の悪化につながる可能性のあることが示された。同氏は「子どもは、親の注意が電子機器ばかりに向けられていると不満を持ち、もっと親の気を引こうと行動するようになる」と話している。詳細は「Pediatric Research」6月13日オンライン版に掲載された。

今回の研究では、5歳以下の子どもを持つ183組の両親を対象に、6カ月にわたりオンライン調査を4回実施した。調査では、両親にテレビやスマホ、タブレット、パソコンなどの電子機器を子どもと一緒にいる間に使用する頻度やストレスの程度、落ち着きのなさやかんしゃくといった子どもの問題行動について尋ねた。

その結果、ほとんどの親が、子どもと過ごしている間に少なくとも1日に1回は電子機器を使用していた。親は子どもが問題行動を起こすと強いストレスを感じ、そのストレスが大きいほど電子機器をよく使用していることが分かった。また、親が電子機器を使用するほど子どもと向き合う時間が減り、時間の経過に伴って子どもの問題行動は悪化することも明らかになった。

スマホやタブレットは、現代人の生活に欠かせないアイテムだが、過度な使用は日常生活に悪影響を及ぼし、精神的にもさまざまな障害を引き起こす可能性がある。米国などではこうした状態は「テクノフェレンス(technoference)」という造語で呼ばれているという。

しかし、専門家の一人で米ニューヨーク大学(NYU)ランゴンヘルスのYamalis Diaz氏は、必ずしもスマホやタブレットが問題の原因ではないと指摘する。親が子どもの問題行動にうまく対処できないことが原因の場合もあれば、スマホ以外にもテレビや本に夢中になる親もいる。ただ、テレビや本などに比べて電子機器は場所や時間を問わず使えるため、親子関係への影響度はより大きいとしている。

これらを踏まえ、Radesky氏は「電子機器を手に取らず、子どもとだけ向き合う時間を毎日持つことが大切だ」と強調する。Diaz氏もこの考えに同意し、「子どもと密度の濃い、質の高い時間を過ごすことで良好な親子関係を築けるだろう」とコメントしている。また、Radesky氏は、仕事のメールやソーシャルメディアの中でも自分にとってストレスとなり、子どもに怒りっぽくなる原因になるものを見つけ出し、子どもと一緒にいるときはこれらの閲覧は避けるように助言している。

[2018年6月20日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights

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