こんにちは!きのした鍼灸接骨院の木下です。
今回のテーマは「胸郭出口症候群」についてです。
症状
胸郭出口症候群はあまり聞きなれない言葉だと思いますが、身近にあるよく出現する怪我になります。
なで肩の女性や、重いものを持ち運ぶ労働者に好発して、つり革を掴む動作や腕を上げる動作で痺れや痛みが出現したり、肩を撫で下ろす姿勢が続いたりすると腕が痺れ、痛みが出現するものです。
頸部から胸郭部の好発部位で、神経や血管が押しつぶされ狭くなってビリビリとした痺れや神経に沿った痛み、手の冷えや冷感、腕や手の筋力低下や細かい手の使い方がしにくくなる運動麻痺など出現してきます。
原因
出典:http://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_outlet_syndrome.html 日本整形外科学会
腕や手、肩甲骨周りの運動神経(筋肉の収縮)や感覚神経(知覚)を司っている腕神経叢(第5頸神経~第1胸神経から形成される)と鎖骨下動脈の圧迫により締め付けられて損傷します。
胸郭出口症候群の部位
①前斜角筋と中斜角筋の間(斜角筋症候群)
②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙(肋鎖症候群)
③小胸筋の後ろ(小胸筋症候群(過外転症候群))
④頸肋(首の骨の横突起が肋骨みたいに伸びてる方(先天性))
こちらの部位を総称して胸郭出口症候群といいます。
診断
モーリーテスト:前斜角筋と中斜角筋の間を押すと痛み。上肢への放散痛が起こる場合もある(斜角筋症候群)
アドソンテスト:脈拍を測りながら、患者に痺れが出ている方に向いてもらい、深呼吸してもらう。脈拍が減弱したり消失した場合は陽性。(斜角筋症候群)
ライトテスト:肘90度、肩外転90度、外旋90度にて脈拍を測り減弱するか消失した場合は陽性。降参したと手を上げる感じです。(小胸筋症候群)
エデンテスト:座位で胸を張らせ、両腕を後方から引っ張り脈拍の確認。減弱するか消失した場合は陽性。(肋鎖症候群)
など
鑑別として頸椎ヘルニア、頚椎症、肘部管症候群、頚髄空洞症、腕神経叢腫瘍などの疾患がないか確認が必要。
治療と予防
症状を悪化させる動作は避けるようにする。重いものをもったり、リュックで重いもの担いだり、デスクワークでの長時間同じ姿勢をさけるようにしましょう。
筋肉の緊張の除去と姿勢の改善に該当筋肉への負担を避けるように治療します。
肩甲骨周りや頸部のストレッチや運動にて改善できる場合もあります。
病院では消炎鎮痛剤や血流改善剤、ビタミンなどが処方されるようです。
日頃の姿勢が負担になっている場合が多いですので、姿勢を意識してみてはいかがでしょうか?
お身体の悩みがございましたらご遠慮なくご相談下さいませ。